2011年8月19日金曜日

太陽

8月4日、サッカー元日本代表の松田直樹さんが亡くなった。
練習中の急性心筋梗塞。
34歳だった。


彼のチームの練習場にはAEDが備えられていなかったという。
J1のチームだけではなく、大規模なスポーツ会場、人がたくさん集まる場所にはAEDの設置が望まれる。
心停止は4分で生存確率が半分以下になる。
もし早期の対処が行われていたら、結果も違っていたかもしれない。


おそらく練習時の彼は、水分補給が十分ではなかったのではないかと思う。
夏場の急激な運動は、心臓への負担が大きい。
こまめな水分補給は、年齢を問わずに大切なことだ。


自分自身も30歳を過ぎて、急激な肉体機能の衰えを感じている。
プロスポーツ選手といえども、年齢には勝てない。
彼は34歳だったが、サッカー界では決して若いとは言えない。
サッカーという非常に過酷なスポーツにおいての自己への過信は危険だ。


サッカー選手の突発的な心停止の例は、世界各国で後を立たないという。
原因の究明と、今後の対策を考えてほしいと思う。
それは必ず、民間での事故防止に活かされることになる。


スポーツ選手は現役時代の活躍だけに華があるのではない。
引退後の活動においても、その特殊な経験を人々に語り伝えるという使命がある。


1996年のアトランタ五輪。
「マイアミの奇跡」と呼ばれる対ブラジル戦。
日本は伊東の1点を守りきり、勝利を収めた。
彼は、ブラジルを撃破した時のメンバーだった。


それから15年経つが、日本はなかなかブラジルには勝てない。


アトランタの経験を聞かせてほしかった。
どうやって、ブラジルを抑えたのか。
何を思ってピッチに立ったのか。
これから日本がブラジルに勝てる日が来るだろうか。
いろいろなことを聞かせて欲しかった。


夏の日の午後。
太陽がひとつ、なくなった気がした。