2011年5月2日月曜日

情報の色

自分は東京に、得体の知れない憧れを抱いて上京してきた。
大学入学が目的だった。
しかしそれは、東京に来るための言い訳みたいなもんだった。


東京にはとにかくたくさんの人がいる。
様々な人間がいることは、チャンスでもあり、リスクでもあり得る。
何かのきっかけが多い分、騙される確率もあがる。
とにかく、ハラハラすることが好きな人はおすすめだ。


今回の震災を受けて、首都の大きさを改めて感じた。
首都機能の脆さと、危うさを見てしまった気もする。
そして、止まったら、とんでもないことになるということを肌で実感したのであった。


東京が華やかだった時代は、もう終わっていくのかもしれない。
これからの若い人達の中にも、あこがれを抱いて地方から上京しようとしている人がいるだろう。


華やかな情報が巷には溢れている。
それらの情報の大部分が、東京に関わるものであることも事実である。
しかし、そんな華やかな世界は虚構であることが多い。
そして、そんなに長続きしない一過性のものであることが多い。
それでも、「東京」という記号に憧れて、挑戦しようというのなら、僕には止める資格も責任もない。


これからの社会は、地方がもっと地域の良さを売り込んで行かなければならない。
東京だけが、素晴らしいわけではないことをPRして行かなければならない。
生きる場所を真剣に人々が考え始めた、今がチャンスであることは間違いない。


インターネットが普及し、様々な情報が簡単に手に入るようになった現代において、地方のPRの下手さには反吐が出る。
新しいモノに対応するスピード感のなさが、若者を敬遠させていることにまだ気づかないのか。


僕はまだ東京にしばらくいようと思う。
わずかに残されたチャンスにかけてみたいと思う。
そして、衰退していく都市の何とも言えない無味乾燥の中に咲いている希望を見つけ出していきたいと思う。