2011年2月4日金曜日

止まっているものと、動いているもの

この間、寝ようとしてベッドに入ったときのこと。
ちょっとした不安と、体が疲れていないことが原因で、なかなか眠れなかった。



ふと天井を見上げた。
視界には、ベッドサイトのライト、壁に貼っているダリの顔、窓際にかかっている洋服。
いろんなものが同時に目に入ってきた。



そして、それらが、まったく動かないことに気づいた。
まったく微動だにしないことに気づいた。当たり前だが。



そして、それがものすごく悲しいことのように思えた。
彼らは、動きたくても動けないのである。
動こうとするように作られていないのである。



その点、人間は意思を持って動くことができる。
行き先を自分ひとりの考えで決められる。
急に踊りだしてもいいし、小走りからウォーキングに速度を落とすことも自由である。



そんな些細な人間の動きが、動作の一つ一つが、素晴らしくてたまらなくなってきた。
動いている人間の動作一つ一つが、とても貴重なものに思えてきた。
生物が、自然に、動作をすることの不思議。
動くということの不思議。



いのちというものが、少しだけ見えたようなきがした。