僕は相撲に八百長があってもいいと思っている。
それを分かっていて、楽しんでいる人もいる。
賭けの対象にもなっていた。
しかし、問題はそんなとこではない。
一番の問題は、八百長に加担しなかったもの、世界になじめないものを排除したことだ。
具体的に言うと、朝青龍を引退に追い込んだことだ。
相撲社会における掟を守らないものを排除する。
そういった排他的システムが問題なのだ。
朝青龍は強かった。
ただ強いということで人気があった。
普段の行動に問題があるとか、横綱の器が足りないとか言って攻撃していたのは、相撲社会の
ルールに従わない朝青龍への意味のない攻撃だ。
普段の行動は、相撲とは関係が無いプライベートの範囲。
器が足りないのは、外国人だからしかたがない。日本の文化を徐々に紹介して、よろしくお願いしますという姿勢があればよかったのだ。
こういった気持ち悪い体質、意味のわからない同調圧力は、日本社会の至るところに溢れている。
個人の能力や実力を、客観的に判断できない。
周りの空気を読むことや、集団の輪を乱さないことに力を使う。
そんなことを続けているから、その業界自体がつぶれてしまうのだ。
以前に朝青龍への意味のない攻撃について、僕は警告を鳴らしていた。
しかし、僕のような一般人の意見など、聞き入れてはもらえない。
相撲を愛する人たちにはガッカリである。
古い体質に安住しようとしていなかっただろうか。
大切なものを守ろうとする気持ちがあったのだろうか。
伝統でも、新しいことでも、とにかく変化していくしかないのである。
現代の日本を象徴している出来事だと言えよう。
ふがいなさに、悲しみだけが残る。