2011年4月6日水曜日

村上春樹が創り出すもの

村上春樹の本は1冊しか読んだことがありません。
「海辺のカフカ」という作品。
正直に言って、何が言いたいのか分かりませんでした。
僕の感受性が鈍っているのか、彼とは性格が合わないのか。
 
 
日本では「1Q84」が200万部を突破する、最近では珍しい驚異的な売り上げを見せました。
皆さんの中にも、春樹ファンは多いのではないかと思います。
 
 
作品は海外で翻訳され、世界各国に読者がいます。
日本文学界の中でも、世界で愛されている偉大な作家です。
 
 
彼の作品に描かれるテーマは「都市に生きる若者の苦悩」が多いと言います。
それは現代に生きる私たちが、押し殺してきた感情に似たものなのかもしれません。
 
 
システムが進化した現代社会。
暮らしは便利になっていくけど、人々の心は、知らぬ間にないがしろにされていく。
 
 
システムと人の心のギャップを埋めるものとして、彼は物語の力が非常に有効であると言います。
僕もそれを感じて、創作にのめり込んでいるのですが、世界規模で活動を展開している彼の存在はうらやましい限りです。


彼は以前アメリカに住んでいたようですが、95年の地下鉄サリン事件をきっかけに、日本に戻ります。
日本に対して何かしたい。
文学の力、物語の力を使って、社会に貢献をしようとした、彼の自発的な動きのように見えました。
 
 
彼は現在、ノーベル文学賞に一番近い日本人です。
もし彼が受賞したら、日本にとって、またとない励みになります。
そんなタイミングが近いうちに来るのではないかと思っています。