2011年8月8日月曜日

戦争と平和

池田信夫blog part2の記事より。
終わりなき戦い


池田信夫氏による、本の紹介の記事。
「Constant Battles」という本。
なぜ我々は戦うのかについて書かれた本だと思う。


記事には驚くべき事実が書かれている。
20世紀のなかばまで、成人男性の25%が意図的に殺されていたという事実。
人口が増えて食料が希少になる時、戦争によって合理的に人口を調整していたということ。
恐ろしいというか、仕方ないというか。


自然な状態の人類は平和で友好的だったのではなく、凶暴で攻撃的だった。それが緩和されたのは、農耕によって食糧が自給できるようになってからだが、それでもより多くの食糧を求めて戦争が繰り返された。成人男子の25%が殺されるという比率は、20世紀なかばまで変わっていない。ファーガソンなど多くの歴史家も指摘するように、西洋文明が栄えた最大の原因は、主権国家が戦争機械としてもっとも性能がよかったからである。


僕自身、国家も法律もない、自然な状態の人間はお互いに平和に暮らせるものと思っていた。
国家があるから、戦争が起こるのだと思っていた。
しかし最近は、どうやら違うのではないかと考えるようになった。


自然状態は電車の中。
国家は会社の中と考えたらわかりやすいかもしれない。
電車の中のほうが無秩序な争いが起こる可能性が高い。
ある程度のルールがないと、人間は平和に暮らしていけない生き物なのだろう。
何だか悲しいが、それが事実なのだろう。


著者は、現代では食糧の総量としては絶対的な欠乏はなくなったので、戦争は合理的行動ではなくなったとのべているが、その分配は大きく片寄っており、民族的・宗教的な憎悪も絶えないので、戦争はなくならないだろう。「自然」のままに生活すれば平和になると信じているのは、飽食した先進国の自称エコロジストだけである。


現代では、戦争が商売のようになっている感がある。
食料の奪い合いという目的がなくなった今、戦争は無理やり引き起こされているのかもしれない。