2011年8月29日月曜日

小松左京の後

404 Blog Not Foundの記事より。

継ぐのは誰か? - 小松左京哀悼の辞に代えて


SFの大家、小松左京氏が亡くなった。
彼の作品は一冊も読んだことがない。
しかし、知人の話で小松氏が日本SF界の巨匠であることは薄々知っていた。
そして今、小松氏の後を継いでいくのが誰なのかが非常に重要な気がした。
これから、誰が日本のSF界を背負っていくのか。
読んだこともないのに。


僕はSF作品というジャンルを少しだけバカにしていた。
そんな現実離れした話があるはずないではないかと、はなから否定して物語にのめり込むことができなかった。
とんでもない恐怖を作り出すのも、とてつもない未来を作り出すのも、結局現在に生きている人間だというふうに思ってしらけていた。


おそらく、「SF」というくくりが嫌いなのだと思う。
SFも歴史も、経済小説もすべて文学。
そういったカテゴライズが嫌いだったのだと思う。


小説なんて、作り話だ。
SFとどう違うのかがわからない。
完全なるノンフィクションなんて作ることはできない。
作品の中には、必ず製作者の視点が入り込むからだ。


今になって、そういったジャンル分けを超越した現実が見えてきた。
とんでもない作り話でも、起こり得ないような未来の話でも、結局作り手の頭の中に浮かんだという意味においては真実である。
そう捉えることによって、世の中の全ての事象が真実だと感じられるようになったことによって、SFの面白さを受け入れる準備がようやく出来たような気がする。


記事では、氏の晩年のエッセイ「SF魂」が取り上げられている。
まずは手始めに、彼のエッセイから読み始めてみようと思う。